サローネ・コントラクト
レム・コールハースが示す新たな見本市の方向性
プロダクトからシステムへ

4月22日、OMAのレム・コールハース (Rem Koolhaas)と、デイヴィッド・ジャーノッテン (David Gianotten) によるマスタープランが発表され、サローネ・コントラクト2027に向けたプロセスが本格的に始動します。本プロジェクトは戦略的転換点となるものであり、高い成長ポテンシャルを持つ新たな市場領域への挑戦を提示します。

本計画は従来の展示空間デザインにとどまらず、コンテクストの分析から来場体験に至るまで、プロジェクト領域全体を横断するマスタープランです。このビジョンから生まれたサローネ・コントラクトは、ミラノサローネ国際家具見本市(Salone del Mobile.Milano)の新たな戦略軸であり、プロダクト中心のハブから市場を導くインフラへと進化するものです。

本プロジェクトは、OMAのレム・コールハースおよびデイヴィッド・ジャーノッテンによって設計され、長期的視点で構築されています。コントラクト分野は世界規模で約680億ユーロと推定されており、製品・テクノロジー・オペレーションの統合が進む中で、製造業の組織やビジネスモデルにも大きな影響を与えています。

マスタープランの発表は、サローネ・コントラクト・フォーラム初開催の中心的プログラムとなります。冒頭では、プリツカー賞受賞建築家でありOMA創設者であるレム・コールハースによるレクチャー「Current Preoccupations (今、関心を持っているテーマ)」が行われ、建築・デザイン・文化研究における約50年の実践と最新プロジェクトを横断する思考が提示されます。続いてデイヴィッド・ジャーノッテンが、マスタープランの構造とビジョンを解説します。

ミラノサローネ国際家具見本市(Salone del Mobile.Milano)代表マリア・ポッロは次のように述べています。

「4月22日のマスタープラン発表により、サローネ・コントラクト2027はこれまで以上に具体性を帯びてきました。本プロジェクトは、未来を見据えた明確なビジョンと方法論に基づいています。コントラクト分野は現在、産業・運営・市場の各側面で最も大きな変化が起きている領域の一つです。重要なのは“何を見せるか”ではなく、“需要をいかに先読みするか”であり、これはプロダクトからシステムへのパラダイム転換を意味します。OMAとの協働により、複雑性を競争優位へと転換し、国際市場における強固なポジショニングを支援していきます。」

Rem Koolhaas
Founding Partner of OMA,

Salone Contract, Salone del Mobile.Milano 2026
@Charlie Koolhaas Courtesy of OMA

レム・コールハースは次のようにコメントしています。

「19世紀以来、万博は産業が自らのビジョンを投影し、文化的な対話が刷新され、新たな協働が形作られる真の実験場として機能してきました。今日のサローネ・コントラクトは、こうした博覧会のあり方を現代に展開したものであり、不安定化する地政学的状況下で、その意義を問い直し、いかに適応すべきかを観察するための空間なのです」

David Gianotten
Managing Partner – Architect of OMA
Salone Contract, Salone del Mobile.Milano 2026
@Vincent van den Hoogen Courtesy of OMA

また、デイヴィッド・ジャーノッテンは次のように述べています。

「コントラクトは単一の製品ではなく、設計・生産・実装を統合するエコシステムに基づく領域です。これは家具および建築の双方に関わり、長期的価値を持つ空間を創出します。今後、業界は個別プロダクトから統合システムへと視点を移すことで、新たな可能性を切り拓くことができます」

2026年4月22日のサローネ・コントラクト・フォーラムでは、2つのラウンドテーブルも開催されます。ひとつは、持続可能性やサプライチェーンの変化を含む業界全体の課題を議論する「Contract Sector Opportunities in a Transforming Industry (変容する産業におけるコントラクト部門の好機)」。もうひとつは、主要プレイヤーによる対話「Common Ground Among the Pillars of the Contract Ecosystem (コントラクト・エコシステムの主要プレイヤーによる共通基盤の構築)」です。

また2026年のスピンオフとして、ロー、フィエラミラノ会場内では、既存出展者を横断するテーマ展示ルートも設けられます。これは、生産モデル、設計力、オペレーション手法を横断的に読み解く試みです。さらに、ICE – イタリア大使館貿易促進部との連携により国際バイヤー向けマッチメイキングプラットフォームも導入され、需要と供給の新たな接点創出が図られます。

2026年9月以降、サローネ・コントラクトは国際ロードツアーを展開し、大規模開発プロジェクトが進む主要地域を巡回します。グローバルな市場動向や投資状況を共有しながら、2027年の初開催に向けて、質の高い国際オーディエンスの形成を目指します。

サローネ・コントラクト・フォーラム(2026年4月22日)

主催:ミラノサローネ国際家具見本市(Salone del Mobile.Milano)/協力:OMA
会場:フィエラミラノ(ロー市) ホール14「Drafting Futures Arena」

プログラム

11:00 ラウンドテーブル
「Contract Sector Opportunities in a Transforming Industry」
(変容する産業におけるコントラクト部門の好機)
イントロダクション:デイヴィッド・ジャーノッテン
モデレーター:エド・ストッカー(Monocle ヨーロッパ編集長)

15:00 マスタークラス
レム・コールハース レクチャー
「Current Preoccupations」 (今、関心を持っているテーマ)
プレゼンテーション:デイヴィッド・ジャーノッテン(サローネ・コントラクト マスタープラン)

16:30 ラウンドテーブル
「Common Ground Among the Pillars of the Contract Ecosystem」
(コントラクト・エコシステムの主要プレイヤーによる共通基盤の構築)
モデレーター:クリステル・アルーク(ArchDaily 編集長)

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