MADE IN MiC
イタリア文化省、ミラノサローネ国際家具見本市 2026 に出展

現代デザインの国際的プラットフォームとしての役割を担うミラノサローネ国際家具見本市 / Salone del Mobile.Milano は、文化省(Ministero della Cultura)を迎え入れ、文化遺産とデザイン、記憶と生産を結びつける新たな軌道をその枠組みに取り込んでいます。これは単なる参加ではなく、「接ぎ木(インネスト)」とも言える存在であり、デザインの領域を拡張すると同時に、その文化的ルーツへと再び接続する試みです。そして、しばしば暗黙のままにされてきた事実——すなわち、あらゆる現代のオブジェクトは長く重層的な歴史の上に成り立っているという点——を明確に示しています。

デザインがまだ「デザイン」と呼ばれていなかった時代があります。そこでは、オブジェクトは芸術的な所作、職人の知、そして近代への志向が交差する中で形を成していました。19世紀末から20世紀初頭にかけてのこの領域こそが、イタリアンデザインの原型を形成する基盤となります。本展「MADE IN MiC」は、そうした背景から出発し、その中核を成すセクション「Archetipi(原型・源流)」では、1900年から1945年にかけての応用芸術やプロトデザインの作品群を、単なるコレクションではなく、批評的な視点から読み解く構成となっています。これらの時代には、それまで分離していた領域同士の対話が生まれました。芸術はインテリアに入り込み、その言語を変容させ、建築はオブジェクトや住空間のスケールと向き合い、工芸はより体系的な生産へと進化していきます。こうして、唯一性と量産性、実用性と象徴性のあいだに揺れ動く、近代デザインの初期コードが形成されていきました。

展示は直線的な年代順ではなく、テーマごとのクラスターによって構成されています。これらは解釈のためのマップとして機能し、複雑な文脈の理解を助けます。「Interni d’autore(作家によるインテリア)」では、芸術家やデザイナーが住空間をどのように再定義したかを示し、「Souvenir d’autore(作家によるスーヴェニール)」では、イタリアの文化的イメージを伝えるために設計されたオブジェクトの誕生を辿ります。「Dal Museo(ミュージアムより)」は、コレクションがデザインの形態やモチーフの参照源として果たす役割を明らかにし、「Domus」は日用品を通して日常生活の変遷を描き出します。「Trame(織り)」では、テキスタイルを技術・装飾・アイデンティティが交差する場として位置づけています。「Archetipi(原型・源流)」を巡ることは、イタリアンデザインが定義される以前から、いかに共有された文化的実践として形成されてきたのかを理解することにほかなりません。

この歴史的基盤の上に、展示の後半が展開されます。ここでは文化遺産が現代における能動的な資源として再解釈されます。本プロジェクトには、複数の文化機関が参加し、それぞれのコレクションを現代のプロダクトへと翻訳しています。ブレラ絵画館(Pinacoteca di Brera)は「Grande Brera」を通じてデザイン・サステナビリティ・インクルージョンを統合し、VIVE(ヴィーヴェ:ヴィットリアーノおよびヴェネツィア宮殿/VIVE – Vittoriano e Palazzo Venezia)は職人技の伝統を再解釈しています。国立近現代美術館(Galleria Nazionale d’Arte Moderna e Contemporanea)は「GNAMC-Design」として参加し、ガリレオ博物館(Museo Galileo)は持続可能性をテーマとした「EcoMuse Lab」を展開しています。さらに、「Magna Grecia」や「Minerva in Action」といったプロジェクトも加わり、文化遺産とデザインの新たな接点を創出しています。

また、MCA – マリオ・クチネッラ・アーキテクツ(MCA – Mario Cucinella Architects)、アルテミデ(Artemide)、ビッグバッグ(BigBag)、ヌオーヴェフォルメ・フィレンツェ(Nuoveforme Firenze)などのデザイナー、建築家、企業が参画し、ミュージアムショップにおける商品開発の在り方を再定義しています。単なるスーヴェニアとしてではなく、日常生活に取り入れられるデザインオブジェクトとして再構築することで、文化遺産とのつながりを維持しながら新たな価値を生み出しています。

展示の締めくくりとして、トークプログラムが空間の一部として組み込まれています。これらの対話は、文化機関、デザイナー、企業、研究者を結びつけ、現代を形づくる上で文化遺産が果たす役割を明らかにするとともに、デザインを文化的実践として捉える未来についての共有された思考を促します。

併催イベントプログラム

文化省パビリオン(Padiglione del Ministero della Cultura)Hall 22-24
キュレーター:ガブリエッラ・ムスト(Gabriella Musto/建築家・文化省)

4月21日
文化省パビリオン「Made in MiC」オープニング

挨拶(12:15)
ヴァレンティーナ・ジェミニャーニ(Valentina Gemignani/文化省官房長)
アルフォンシーナ・ルッソ(Alfonsina Russo/文化遺産活用局長)

展示作品の選定およびプロトタイプ共有に関わった美術館ディレクターや文化関係者によるコメント
進行:アルフォンシーナ・ルッソ

  • エディット・ガブリエッリ(Edith Gabrielli)×ミケーレ・デ・ルッキ(Michele De Lucchi)(12:30–13:00)
  • アンジェロ・クレスピ(Angelo Crespi)(13:15–13:45)
  • レナータ・マッツァンティーニ(Renata Mazzantini)(14:00–14:30)
  • ロベルト・フェッラーリ(Roberto Ferrari)(14:45–15:15)
  • マリア・キアラ・ギレッティ(Maria Chiara Ghiretti)ほか(15:30–16:00)
  • ジュゼッペ・スカリオーネ(Giuseppe Scaglione)×ニコラ・マラグリーノ(Nicola Malagrinò)(16:15–16:45)

4月22日
歴史的ナラティブ:アートとデザインの対話
進行:アレッシオ・デ・クリストーファロ(Alessio De Cristofaro)

  • マッテオ・フォケッサーティ(Matteo Fochessati)(10:00–10:30)
  • オリーヴァ・ルチェッライ(Oliva Rucellai)(10:45–11:15)
  • コンスエロ・デ・ガーラ(Consuelo de Gara)(11:30–12:00)
  • アレッシオ・デ・クリストーファロ(12:15–12:45)

建築プロジェクトと展示・デザインの関係
進行:ガブリエッラ・ムスト

  • マッシミリアーノ・ティータ(Massimiliano Tita)(15:00–15:30)
  • カミッロ・ボッティチーニ(Camillo Botticini)(15:45–16:15)
  • マルゲリータ・グッチョーネ(Margherita Guccione)(16:30–17:00)

4月24日
現代文化における建築とデザイン
進行:ガブリエッラ・ムスト

  • ジョヴァンニ・トルテッリ(Giovanni Tortelli)(10:30–11:00)
  • ジャンフランコ・トゥッツォリーノ(Gianfranco Tuzzolino)(11:15–11:45)
  • ルチアーノ・ガリンベルティ(Luciano Galimberti)(12:00–12:30)

プロトタイプの誕生:構想・設計・制作

  • EcoMuse Lab チーム(15:00–16:15)

4月25日
地域と結びつくデザイン文化
進行:ガブリエッラ・ムスト

  • アントニオ・ズンノ(Antonio Zunno)(12:00–12:30)
  • キアラ・デルピーノ(Chiara Delpino)(12:45–13:15)
  • エレナ・アンナ・ボルデッティ(Elena Anna Boldetti)(13:30–14:00)

4月26日
アート/文化/プロセス/ビジョン:国際的創造の新潮流
進行:ガブリエッラ・ムスト

  • パオロ・ロッセッリ(Paolo Rosselli)(11:00–11:30)
  • マルコ・イウリアーノ(Marco Iuliano)(11:45–12:15)
  • パオロ・タッシナーリ(Paolo Tassinari)(12:30–13:00)
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