2026年見本市構成

第64回ミラノサローネ国際家具見本市(Salone del Mobile.Milano)の中核には、住まいの進化、デザイン言語の変容、そして産業・市場・現代のライフスタイルにおける変化を読み解く、より統合的な展示構成が据えられています。

年次見本市(Annual Exhibitons)

例年通り、以下の4つの年次見本市で構成されています:
サローネ国際家具見本市(Salone Internazionale del Mobile)
サローネ国際インテリア小物見本市(Salone Internazionale del Complemento d’Arredo)
ワークプレイス3.0(Workplace3.0)
S.プロジェクト(S.Project)


合計915ブランド(うち海外38.57%)が出展し、139ブランドが初出展または再出展となります。

これら年次見本市は、現代の「住まい」を多角的に提示する中核領域であり、家具、インテリア小物、ワークスペース、横断的ソリューションが交差します。インダストリアルクオリティ、素材開発、柔軟な使用性、サステナビリティといった要素が空間の新たな文法を形成し、住宅・ワークプレイス・ハイブリッド空間を横断しながら、機能・アイデンティティ・デザイン文化を結びつけています。

この文脈の中で展開されるのが、「Aurea, an Architectural Fiction (アウレア、建築が紡ぐ物語)」。パリのデザインスタジオMaison Numéro 20(インテリアアーキテクト、オスカル・ルシアン・オノ主宰)によるインスタレーションであり、ホール13および15にて、物語的空間の連なりとして構成された架空のホテルが出現します。光を素材として扱い、建築的に操作された空間の中で、素材や家具のディテールに至るまでサステナビリティの視点から設計され、ラグジュアリーを誇示ではなく「意識的な価値」として提示します。

また、サローネサテリテ(SaloneSatellite)は、39カ国から700名の35歳以下のデザイナーと22のデザイン教育機関が参加し、若手人材の発掘を継続。第27回のテーマは「Maestria artigiana + Innovazione(熟練クラフトマンシップ+イノベーション)」であり、クラフトを未来の言語として再解釈します。手仕事とテクノロジーの融合を通じて、新世代のデザイナーが直面する課題に応答する試みで、併せて、クラフトとイノベーションの関係を探る写真展示も実施され、世界各地のデザイナーの制作プロセスや素材、技術が紹介されます。

隔年開催見本市(Biennale): 
エウロクチーナ(EuroCucina)/FTK, Technology For the Kitchen

2024年の成功を受け、エウロクチーナ(EuroCucina)/FTK, Technology For the Kitchenが再登場。17カ国から106社(うち海外38.60%)、そのうち35ブランドが初出展または再出展となります。

本見本市は、キッチンデザインにおける国際的リファレンスとして、テクノロジー、サステナビリティ、AI統合、バイオフィリックデザイン、ユーザー主導の空間設計といった潮流を提示します。

キッチンは、リビングと融合するオープンスペース化が進み、インタラクティブな表面、不可視のIHコンロ、統合型レンジフード、収納ユニットなど、機能と意匠の一体化が進展。素材面では、FSC認証木材、抗菌セラミック、再生ラミネート、リサイクルガラスなど、サステナブルかつ触覚的なマテリアルが主流となります。

さらに、スマート家電の進化により、冷蔵庫が食材認識やレシピ提案を行い、オーブンが自動調理を最適化、食洗機が自律的に管理を行うなど、キッチンはユーザーに適応・学習する空間へと変化。エネルギー効率と高度なデザイン性を両立し、家具と家電の境界が曖昧になります。

隔年開催見本市(Biennale): 
サローネ国際バスルーム見本市(Salone Internazionale del Bagno)

サローネ国際バスルーム見本市(Salone Internazionale del Bagno)は、14カ国から163社(うち海外28.22%)が参加する、分野最大級の国際展示として開催。

バスルーム空間は「ホームスパ」化が進み、ウォークインシャワーやニッチ収納、光のレイヤリングによる空間演出など、流動的で感覚的な環境へと進化。マット仕上げやブラッシュドメタル、鉱物的カラー、大判素材などにより、触覚的で温かみのあるミニマリズムが形成されます。

設計のキーワードはウェルビーイングでありつつ、節水性能、衛生性、耐久性といった実用性も重視されます。特に「ロンジェヴィティ(長寿命設計)」が重要視され、バリアフリー設計や滑りにくい床材、統合型シート、エルゴノミクス設計など、時間の変化に対応する空間設計が進んでいます。

また、設備のモジュール化や修理可能性の向上により、製品寿命の延長を通じたサステナビリティも強化。テクノロジー面では、デジタルシャワーやスマート衛生機器、センサー水栓、漏水防止システムなどが普及し、将来的には予知保全や遠隔サポート、AI連携による空間制御(照明・温度・音・湿度)など、サービス化が進展していきます。

Close
Your custom text © Copyright 2019. All rights reserved.
Close