サローネサテリテ・アワードの審査委員会が130を超える候補の中から4つの受賞作品を決定。
第14回目となる今回、古くからの伝統が現代のデザインニーズに合わせて刷新され受賞に至る。

First Prize
長澤一樹、Super Rat
©Ludovica Mangini

First Prize
“Utsuwa-Juhi Series”
長澤一樹、Super Rat
Salone del Mobile.Milano
第26回サローネサテリテのテーマは、 “NUOVO ARTIGIANATO: UN MONDO NUOVO//NEW CRAFTSMANSHIP: A NEW WORLD” 。サローネサテリテ・アワード2025にノミネートされた35歳以下のデザイナーたちのプロジェクトは、この課題に成熟したアイデアと家具の未来についての実践的な考察で応えています。
若き才能たちは、フォルムや素材、プロセス以上に、幅広い分野からインスピレーションを得て、素材や部品の循環性に特に注意を払い、可能な限り単一素材で作られたソリューションをデザインするという課題に取り組んでいます。コンストラクション・ミニマリズム、革新的なジョイント、スマート・ソリューションは、ジェネレーティブ・デザインや3Dプリンティングといった現代的なツールと統合され、伝統的な技術の価値を損なうことなく、熟練した職人たちとともに再構築されています。エウロルーチェの今年は繊細かつ革新的な照明の提案も豊富。その多様性の中で、職人技とコンテンポラリーデザインの融合が、独自の文化的アイデンティティと未来へのさまざまな選択肢の創造を保証するという点で、ほぼすべての意見が一致していえるでしょう。

Pad. 5-7, Fiera Milano, Rho
Salone del Mobile.Milano
©Ludovica Mangini
サローネサテリテ・アワード審査委員長パオラ・アントネッリ氏のコメント
「CRAFTSMANSHIPは進歩に不可欠であり、人工知能や3Dプリンターが普及した現代においても極めて重要です。それは単に他の民族の物質文化を理解するための手段ではありません。それは何世紀にもわたって蓄積されたものであり、自然と生存に関する古代の知恵を含んでいます。さらに、素材や技術が真新しいものである場合、手作業で作る能力はイノベーションを推進するために不可欠です」
第1位を受賞したのは、日本のデザインスタジオ、SUPER RATの長澤一樹による “UTSUWA – JUHI SERIES” 。歴史と文化を守るために日本の工芸を再解釈したもので、「棕櫚(シュロ)の樹皮」を主な素材とし、伝統的な染色技法「柿渋染め」と、廃棄される鉄屑から抽出した「鉄媒染液」を掛け合わせることで、多様な形を可能にし、環境への生産負荷を削減しました。
第2位は、オランダのスタジオ、ルイス・マリーによる「プリサード」。バインダーや接着剤を使わず、伝統的なプリーツ技法を再解釈したこの作品は、自立可能な円形の間仕切りで、テキスタイル・ホーム・オブジェの新たな可能性を提案しています。
第3位はイタリアのリッカルド・トルドによる照明「フィル・ルージュ」。運命を結ぶと言われる赤い糸からインスピレーションを得たこのランプは、直径1.8ミリのもろい外見に、最大1,200ルーメンの明るさを秘めています。
第2位 Fenna van der Klei and Patricio Nusselder, Luis Marie “Plissade”


第3位 Riccardo Toldo “Fil Rouge”


特別賞を受賞したデザイナーには、Róng Design Awardが授与されました。この賞は、このイニシアチブを推進する中国・杭州のユーハン地区にあるRong Design Libraryでの1ヶ月のレジデンスを提供するものです。ベネズエラ人デザイナー、フアン・コルティゾの「Quibor Project」は、彼の工業デザインへの情熱とベネズエラの職人技へのこだわりを具現化したスピーカーで、このユニークなコレクションの各作品には、作者の訓練と経験が表現されています。
特別賞 Juan Cortizo, Quibor “Quibor Project”


1位
Super Rat 長澤一樹
日本
“Utsuwa-Juhi Series”
花瓶と容器
オブジェと非オブジェ、オブジェの存在と非存在の美しさに無関心でいることは不可能である。デザインの最も幽玄なエッセンスの象徴的な側面が高く評価された。
2位
Luis Marie
オランダ
“Plissade”
テキスタイル・ディヴィジョン
この作品は、その完成度の高さ、テクニックの再解釈、色彩の研究、触覚的な官能性、そしてとりわけアンティーク家具の現代的な解釈の妥当性によって際立っている。
3位
Riccardo Toldo
イタリア
“Fil Rouge”
ウォールランプ
その絶対的なシンプルさによって、デザイン、研究、インスピレーションを融合させ、ジェスチャーの魔法を復元し、とらえている。
特別賞
Quibor (Juan Cortizo)
ヴェネズエラ
“Quibor Project”
スピーカー
表現力豊かで存在感のある生物的な外観は、伝統工芸の新たな言語の可能性を指し示している。

Pavs. 5-7, Fiera Milano, Rho
Salone del Mobile.Milano
©Ludovica Mangini
SALONESATELLITE AWARD 2025 審査員
Paola Antonelli
President of Jury
Senior Design Curator
Architecture & Design Director Research and Development, MoMA
Michael Anastassiades
Designer
Greta Arcila
Founder and CEO @glocal_design
Jean Blanchaert
Contemporary art gallery owner, curator and art critic
Giulia Foscari
Architect, curator and activist, Una/Unless
Carolina Gismondi
Architect, designer and creative director KooZA/rch
Hicham Lahlou
Industrial Global Designer & Interior Architect, Founder Africa Design Organization
Gianfranco Marinelli
Presidente Federlegno Arredo Eventi
Luca Molinari
Architect, curator and architecture critic
Samuel Ro
Artist & designer
田村奈穂
Designer
Marva Griffin Wilshire
Founder and Curator SaloneSatellite
Porzia Bergamasco
SaloneSatellite Award Coordinator

©Ludovica Mangini



