ボブ・ウィルソン、マリーナ・レベカとともにオペラに捧ぐ ミラノサローネ・オープニング
2025年4月7日(月) 午後8時、今年もミラノ・スカラ座にてミラノサローネが開幕。「The Night Before: Chairs, Objects, Opera(前夜祭:チェア、オブジェ、オペラ)」は、スフォルツェスコ城ロンダニーニのピエタ美術館のミケランジェロの傑作を照らすサローネ文化イベント、「Mother(マザー)」もキュレーションする現代の演劇界の巨匠、ロバート・ウィルソンによるキュレーション。
2025年のスカラ座公演は、ミケーレ・スポッティ指揮スカラ座管弦楽団と、ピエルマリーニ設計のスカラ座で今年6月に上演されるヴィンチェンツォ・ベッリーニの『ノルマ』の主人公として注目されている、現代の偉大なる歌姫、マリーナ・レベカを迎え、オペラの名アリア数曲をお届けします。1977年以来、スカラ座で上演されなくなったベッリーニの傑作『ノルマ』のアリアも歌われることで、まさに期待に満ちた一夜が幕を開けます:有名なシンフォニアの後、まず、アリア「 Casta Diva(清らかな女神よ)」、そしてジュゼッペ・ヴェルディ作曲『マクベス』から、前奏曲と「Una macchia è qui tuttora(夢遊病のアリア)」が演奏されます。続いて、プッチーニ作曲『蝶々夫人』の間奏曲と、蝶々さんが息子に別れを告げる悲痛なアリア「Tu, tu, piccolo iddio(かわいい坊や)」、そして『オテロ』の舞曲「デズデモーナの祈り」でヴェルディに戻り、最後に『椿姫』前奏曲と、ヴィオレッタの偉大なるアリア「È strano… Sempre libera degg’io」で締め括られます。
メロドラマ(18世紀後半に発達した音楽の伴奏が入る娯楽的な大衆演劇)の歴史とスカラ座(『ノルマ』『蝶々夫人』『オテロ』の初演が行われた場所)だけでなく、ミラノの創造性、そしてボブ・ウィルソンとミラノを結びつける深い絆を祝うガラ公演となります。こうして、2019年にリッカルド・シャイー指揮のコンサートから始まり、すっかりサローネの伝統となったミラノサローネとスカラ座のコラボレーション。パンデミックによって一時期中断しましたが、2022年のオープニングは、ロベルト・ボッレ、ニコレッタ・マンニ、マルティナ・アルドゥイーノ、ヴィルナ・トッピがストラヴィンスキーの『アポロン・ムサジェート』を解釈するダンスで再開し、2023年にはカルロ・ボッカドーロが、ローレン・ミシェルとともにグラスの音楽とバーンスタインの音楽にアンドレア・クレチェンツィの振付の舞台を、そして2024年には、リッカルド・シャイーがフアン・ディエゴ・フロレスの歌声と共にイタリアン・プログラムで観客を迎えました。
ボブ・ウィルソンとスカラ座との最初のコラボレーションは、1979年にさかのぼります。伝説的な最初のプロダクションはエジソンによる電気の誕生に捧げた“エジソンの国立劇場”(スカラ座)での上演で、さらに伝説となったのは、1987年にケント・ナガノの指揮のもと、モンセラ・カバジェが主演し、ジャンニ・ヴェルサーチェが衣装を担当した『サロメ』でした。ヴェルサーチェはその2年後、ジャコモ・マンゾーニのトーマス・マン作『ファウストゥス独裁者』の衣装も手掛けています。更に時を経てステファン・リスナーがウィルソンに、2009年(『オルフェオ』)、2011年(『ウリッセの家路』)、2015年(『ポッペアの結婚』)のモンテヴェルディ三部作を依頼しました。
マリーナ・レベカ(Marina Rebeka)は、現代で最もカリスマ的で多才な歌手のひとりです。スカラ座では、2009年にロッシーニ作曲『ランスへの旅』でデビューし、2019年にはチョン・ミュンフン指揮、2020年にはズービン・メータ指揮の『椿姫』でヴィオレッタを演じました。2020年12月には、パンデミックの影響で空席となった劇場でシーズン開幕のテレビ中継に参加し、2022年にはロレンツォ・ヴィオッティ指揮によるマスネ作曲『タイスの瞑想曲』で成功を収めました。2023年には、ファビオ・ルイージ指揮、ヴェルディ作曲の『シチリアの晩鐘』と、キム・ウンソン指揮のプッチーニ作曲『ラ・ボエーム』の2演目に出演し、2024年には、体調不良の歌手の代役としてミケーレ・ガンバ指揮のケルビーニ作曲『メデア』の主人公を土壇場で務め、みごと成功を収めました。マリア・カラスとモンセラート・カバリエがこの舞台で上演したオペラ『ノルマ』にマリーナ・レベカが主人公として抜擢されたことに、スカラ座との強い絆が表れています。
ミケーレ・スポッティ(Michele Spotti)は、イタリアの若手指揮者の中で最も輝いている一人。1993年生まれで、ミラノ音楽院でヴァイオリンと指揮を学び、2023年からマルセイユ・オペラ座とフィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務めています。2024/2025年シーズンには、マルセイユでの数多くの公演に加え、ボルツァーノ、トレント、ミラノ、ロヴィーゴでのハイドンフィルとベアトリーチェ・ラーナによる交響曲コンサート、更に、フィレンツェ、バーゼル、ティロラー音楽祭でのコンサートを予定。2月には、フィレンツェの新劇場、テアトロ・デル・マッジョ・ムージカーレ・フィオレンティーノにて『ノルマ』でオペラのデビューを飾る。また、2025年には、ベルリン・ドイツ・オペラで『リゴレット』、バレンシアのソフィア王妃芸術宮殿・レザールで喜劇オペラ2本立て新演出版(ラベルの『スペインの時』とプッチーニの『ジャンニ・スキッキ』)、パリ・オペラ座でオッフェンバック作曲『盗賊』の公演が予定されています。

2025.4.7 (Mon.) 20:00
Salone Internazionale del Mobile
ミラノサローネ国際家具見本市 特別公演
前夜祭:チェア・オブジェ・オペラ
THE NIGHT BEFORE CHAIRS, OBJECTS, OPERA
キュレーション:ロバート・ウィルソン
ミラノ・スカラ座 フィルハーモニー管弦楽団
指揮: ミケーレ・スポッティ
ソプラノ: マリーナ・レベカ
プログラム
ヴィンチェンツォ・ベッリーニ (Vincenzo Bellini)
『ノルマ(Norma)』より
• シンフォニー
• アリア「清らかな女神よ(Casta Diva)」
ジュゼッペ・ヴェルディ(Giuseppe Verdi)
『マクベス(Macbeth)』より
• プレリュード
• マクベス夫人のアリア「ここに、まだしみがある(Una macchia è qui tuttora)」
ジャコモ・プッチーニ(Giacomo Puccini)
『蝶々夫人(Madama Butterfly)』より
• 間奏曲
• 蝶々さんのアリア「かわいい坊や(Tu, tu piccolo Iddio)」
ジュゼッペ・ヴェルディ(Giuseppe Verdi)
『オテロ(Otello)』より
• バッラービリ(Ballabili)
• デズデモーナの祈り「アヴェ・マリア(Ave Maria)」
『椿姫(La traviata)』より
• 第1幕より前奏曲
• ヴィオレッタのシーンとアリア
「ああ、そは彼の人か〜花から花へ(È strano… Sempre libera)」
